命術・卜術・相術
このブログの読者は、東洋の占いに興味がある/勉強しているかただと思います。
占いとは「様々な方法で、人の心の内や運勢や未来など直接観察することのできないものについて判断/予言することやその方法をいう」とWikipediaにありますが、
東洋の占いは、どのような方法で占うかで、大きく三つに分けられます。
ひとつは、生年月日で占う命術で、そのひとの宿命や性格、運勢などを観ます。
おもな占いとしては「算命学」「四柱推命」「紫微斗数」「九星気学」などがあります。
もうひとつは、偶然の結果(易卦、占った日時など)で占う卜(ぼく)術で、採るべき選択や行動などを観ます。
命術が「ひと」にフォーカスするのに対して、卜術はひとが関わる「もの」「こと」にフォーカスします。
おもな占いとしては「奇門遁甲」「六壬神課」「断易」「周易」などがあります。
そして、姿や形などで占う相(そう)術で、そのひと/ものが関わる吉凶などを観ます。
おもな占いとしては「風水」「人相」「手相」「姓名判断」などがあります。
そして、これらの占いの基礎にあるのが「陰陽五行」という古代中国の自然哲学です。
基礎をしっかり学ぶ
だから、どの東洋の占いを学ぶにしても、基礎の陰陽五行がをしっかり理解できていないと、応用が効かなくなります。
独学者にありがちなのは、簡単に吉凶がわかる技法ばかりを学んで、なぜそう解釈するのかという理解がおろそかになることです。
それだと、大当たりすることもあるかもしれませんが、多くは外して「やっぱり当たらないね・・・」と勉強を止めてしまうか、当たらないという悶々とした想いを抱えながら勉強を続けることになります。
これでは、勉強しても時間の無駄です。
ここは、東洋の占いの基礎=陰陽五行をしっかり理解することに集中しましょう。
なぜ占うのか
陰陽五行の講義にはじめる前に、少し占いについて考えてみましょう。
そもそも、ひとはなぜ占うのでしょうか?
わからないことを知りたいからですよね。
これからどうなるのか、どう行動すべきか、世の中はわからないことだらけです。
科学によって多くの自然の謎は解明されていますが、人間や社会の複雑なふるまいを解明するのは難しい。
一方で占いは、科学とは違うアプローチで、人間や社会の本質に迫ろうとします。
占いは科学ではないというのはその通りですが、「だから当てにならない」というのは誤りでしょう。
科学は万能ですか?
万能なら、なぜ、科学は人間をしあわせにできないのですか?
なぜ占えるのか
では、占いはなぜ、わからないことを知る=予知することができるのでしょうか?
亀卜(大嘗祭で行われる占い)なら「焼いた亀の甲羅の割れ目で天の意志がわかるから」と答えるのかもしれませんし、
現代では、ユングの「シンクロニシティ」(意味のある偶然の一致)という概念で説明するのかもしれません。
これに対して、私が研究している算命学・四柱推命では「気」というもので説明します。
- 森羅万象(この世のすべての存在や出来事)の生成/変化/消滅の原因は、気の運動にある。
- 気の運動には法則性があるから、未来も予め知ることができる。
というわけです。
では、気とはなにか?
次回はその話から、陰陽五行の講義をはじめたいと思います。